超精密加工、超精密計測、超精密転写、X線光学素子、X線光学システム
(更新:2018/9/17)

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Head : 三村秀和  (Mimura Hidekazu) (准教授)(出身:大阪府河内長野市 

博士3年:久米健大、江川 悟(学振DC1)、松澤雄介(夏目光学株式会社)
博士2年:竹尾陽子(学振DC1)
博士1年:山口豪太(学振DC1)
修士2年:鎌田悠、横前俊也、郭健麗
修士1年:島村勇徳
学部4年:大出龍一郎、清水冴月

1. 概要 
 本グループでは、極限精度をキーワードに、ナノ精度加工、ナノ精度計測、ナノ精度転写(量産)を目指した新しい生産技術の開発を行っています。極限の精度は、原子オーダーになります。この精度を実現するためには、従来の方法の発展も重要ですが、様々な物理・化学現象を利用し、原理的にその精度を達成する現象を利用した技術を生み出す必要があります。

 本グループでは、表面科学、電気化学、光学、流体力学 などの学問分野をベースに、高精度メカトロニクスを融合させ、まったく新しい、加工、計測、転写技術の開発を行います。そういった技術開発には目標(値)が必要です。そこで本グループでは、極限の精度が求められるX線光学素子をターゲットに研究開発を進めています。そして、X線光学素子の応用にまで研究を広げています。

 研究をトップスピードで進めるためには、互いの長所を活かし、短所を補完しあう共同研究は重要となります。各学生の研究テーマのほとんどは、基本的に公的研究機関、他大学、企業との共同研究となります。したがって、学生も、企業や共同研究者との交渉を行いますので責任を持って進めて頂くことになります。


2. 研究内容 

研究プロジェクト
文部科学省科学研究費補助金 基盤研究A 平成27年4月〜平成30年3月
回転体ミラーによる次世代軟X線集光システムの開発

(終了)科学技術振興機構(JST) 先端計測機器開発プログラム(要素技術) 平成23年10月〜平成28年3月
ラボベース軟X線光源用回転体集光ミラーの開発 

@X線集光システム、X線顕微鏡開発
1.回転体型X線ミラーを用いた高次高調波集光・結像システムの開発 (江川悟(D3))
   (本学理学研究科化学専攻 山内研究室との共同研究)
2. SPring-8軟X線ビームラインにおける集光システムの設計・開発 (竹尾陽子(D2)、島村勇徳(M1)、清水冴月(B4)
   (高輝度光科学研究センター (大橋Gr),との共同研究
3. EUV-X線自由電子レーザー用集光・結像システムの開発 (江川悟(D2)、山口豪太(D1), 横前俊也(M2))
   (理化学研究所、高輝度光科学研究センター(矢橋Gr
5. X線極限集光光学系の理論的検討 (島村勇徳(M1))

A超精密回転体型ミラー作製に関する研究
1. X線ミラー用高精度マンドレル作製プロセスの構築 (江川悟(D3)、久米健大(D3)、松澤雄介(D3))
   (夏目光学株式会社との共同研究)
2. 回転楕円X線ミラーの形状計測 (竹尾陽子(D2)、清水冴月(B4))
   (北海道大学との共同研究)
3. 電気鋳造法によるナノ精度転写プロセスの開発 (久米健大(D3)山口豪太(D1))
  (夏目光学株式会社、池上金型工業株式会社との共同研究)
4.
 膜厚分布製膜法による回転楕円X線ミラーの作製 (横前俊也(M2)、島村勇徳(M1))

B
新型X線ミラー作製に関する研究
 
1. X線回折格子の開発 (鎌田悠(M2))

2. 
X線極限集光用新型KBミラーの開発 (島村勇徳(M1))

C 新規超精密加工、計測法の開発
1. ピンホールマスクを用いた高分解能形状修正法の開発島村勇徳(B4))

2. 新規加工プロセス開発(松澤雄介(D3)、横前俊也(M2)、大出龍一郎(B4))

3. 新規計測法開発 (松澤雄介(D3)、久米健大(D3)、竹尾陽子(D2))

3. 研究成果、発表(Since 2011) 

4. 実験環境

(学内)
東京大学本郷キャンパス 工学部14号館834室 :プロセス開発実験室
東京大学本郷キャンパス 工学部14号館地下室 :超精密計測室
東京大学浅野キャンパス 理学部 :高次高調軟X線発生施設 
(学外)
大型放射光施設SPring-8(兵庫県佐用郡) :X線ミラーの評価
X線自由電子レーザー(SACLA) : 高強度X線ビームの形成

5. 研究の進め方に関して

1. 平日はコアタイムがあります。10時〜17時です。一緒に研究を行うためのルールですので無断での欠席は許しません。
2. 週1回〜2回、簡単なグループミーティングを行っています。
  早く一人前になるために、低学年ほど(すなわち4年生は)打ち合わせ頻度が高いです。
3. 国枝Grと月一回、学会発表形式の合同研究会を行っています。
4. 研究において、製図は右手、プログラミングは左手です。
  装置設計、装置開発、理論解析数値シミュレーションには、製図、プログラミングは必須です。
  CADとプログラミング言語(C言語)は習得してください。習得していない人は、必ず自力で習得してもらいます。
  (心配しなくても、研究の中で使用しますので大丈夫です。)

6. 教育、指導に関して

教育に関しては、各人の能力に合わせた段階的指導を行います。目指すは、最先端の研究をトップスピードで進めることができる優れた生産技術研究者です。その道はとても長く如何に早く成長するか重要ですが、いきなり途中を飛ばして、自立したり、自分で考え研究を進めることは不可能です。そこで、本グループでは、これまでの経験も踏まえて、下記の4プロセスで研究指導します。
したがって、成長すれば次のフェーズに行きますので同じ学年でも大きな差がでることになります。下記、フェーズ3まで放任はありえません。

フェーズ1.研究者基盤形成期: 研究をするための加工法、装置、原理などの基礎知識、使用するためのスキルを身につける。背景に当たる勉強も必要。
フェーズ2.研究者育成期:身に付けた知識、スキルで研究を行う。深く探求する。テーマ、進め方は指導教員の下で決める。(早ければM1から))
フェーズ3.研究者自立期:研究テーマは自ら提案する。セカンドメジャー獲得、異分野への挑戦を開始。(早ければM2から)
フェーズ4.研究者発展期:予算を獲得する。教育活動にも参画。グループ形成。 (早ければD1から))


7. 写真

研究室合宿
2012年3月@草津国際
研究室合宿
2013年3月@野沢温泉
卒論修論打ち上げ
2015年2月@リッツカールトン東京
国枝・三村研 合同研究室旅行
2015年7月@熱海、伊豆
荻本君送別会
2017年9月@大塚

8. 卒業生、修了生 (現所属以外) 

武井良憲 2012. 3 B, 2014.3 M, 2017.3 D
本山央人 2013. 3 B, 2015.3 M, 2018.3 D
平田貴大 2014. 3 B
東  隆裕 2015. 3 B, 2017.3 M
長山  光 2016. 3 B
荻本浩人 2017. 9 M
西岡勇人 2018. 3 B
大川慎治 2018. 3 B


9. 博士論文、修士論文、卒業論文タイトル

博士論文
・ 本山央人、回転楕円ミラーによる軟X線レーザー集光システムの開発(2017年度東京大学大学院博士論文)
・ 武井良憲、軟X線回転楕円ミラー用マスターマンドレルの超精密加工計測プロセスの開発(2016年度東京大学大学院博士論文)

修士論文
・ 山口豪太 X線回転体ミラー作製のための電鋳プロセスの高度化に関する研究(2017年度東京大学大学院修士論文)
・ 荻本浩人 軟X線ラミナー型自由間隔格子のための2光束干渉露光法の開発(2017年度東京大学大学院修士論文)
・ 竹尾陽子 回転楕円ミラーを用いた放射光軟X線集光システムの構築と集光特性の評価(2016年度東京大学大学院修士論文)
・ 東 隆裕、 高速ノズル噴流を用いたナノ加工法に関する研究(2016年度東京大学大学院修士論文)
・ 江川 悟, 軟X線顕微イメージングのためのウォルターミラーに関する研究(2015年度東京大学大学院修士論文)
・ 久米健大,高精度電鋳プロセスの開発と回転楕円ミラー作製への展開(2014年度東京大学大学院修士論文)
・ 本山央人、回転楕円ミラーを用いた高次高調波集光システムの開発と極限軟X線集光に向けた多角的アプローチ (2014年度東京大学大学院修士論文)
・ 武井良憲、軟X線集光ミラー作製のためのナノ精度形状修正加工システムの開発 (2013年度東京大学大学院修士論文)
・ 斎藤貴宏、位相回復法を用いた軟X線用回転楕円ミラーの形状計測法の開発(2013年度東京大学大学院修士論文)
卒業論文
・ 島村勇徳 ナノ集光用小型X線ミラーの提案と作製プロセスの開発 (2017年度卒業論文)
・ 大川慎治 大粒径スラリーによる微小スポット研磨法の開発 (2017年度卒業論文)
・ 西岡勇人 マグネトロンスパッタ成膜を用いた高分解能・大面積形状修正法の開発 (2017年度卒業論文)
・ 長山 光、 複雑形状を有するX線ミラー作製のための高分解能形状修正成膜プロセスの開発(2015年度東京大学卒業論文)
・ 山口豪太、電気化学的ナノ加工法の研究 (2015年度東京大学卒業論文)
・ 東 隆裕、複数の1 nm分解能プローブを用いたX線ミラー用形状計測法の開発(2014年度東京大学卒業論文)
・ 竹尾陽子、タイコグラフィ位相回復法による軟X線集光ミラーのアライメント・形状誤差計測法の開発(2014年度東京大学卒業論文)
・ 平田貴大、回転球EEM(Elastic Emission Machining)による軟X線ミラー用マンドレル平滑化システムの開発(2013年度東京大学卒業論文)
・ 江川悟、光学測定を駆使した電鋳プロセスの高精度化に関する研究 (2013年度東京大学卒業論文)
・ 久米健大、電鋳法によるナノ精度表面転写プロセスにおけるNi電析条件の基礎的検討 (2012年度東京大学卒業論文)
・ 本山央人、回転体ミラーを用いた次世代放射光用軟X線集光システムの光学設計(2012年度東京大学卒業論文)
・ 武井良憲、ノズル型EEM(Elastic Emission Machining)の加工特性の向上に関する研究 (2011年度東京大学卒業論文)
・ 斎藤貴宏、回転体型軟X線集光ミラーの光学設計と形状計測法の開発 (2011年度東京大学卒業論文)