三村・細畠研究室 — 東京大学先端科学技術研究センター 超精密製造科学分野 /工学系研究科精密工学専攻 超精密加工・精密機械システム工学

背景

当研究室についてAbout

はじめに―精密加工で最先端科学を支える―

大は太陽観察から小は細胞観察まで、三村研究室は独自の精密なものづくりにより天文宇宙分野から細胞生物学分野まで広範な精最先端科学に貢献しています。極限の超精密なものづくりの研究を行うとともに、大型放射光施設SPring-8とX線自由電子レーザーSACLAにおいて顕微鏡を開発し、天文分野の研究者と太陽観察用望遠鏡ミラーの開発を行っています。また、切削加工、研削加工、放電加工、レーザー加工などあらゆる加工現象に対して放射光X線による高速撮像による解析を行っています。各加工法の専門家や各加工メーカとも連携し、加工現象の学理解明の研究を行っています。

——— 研究室 Head:三村 秀和
MIMURA Hidekazu

学問分野

表面科学、電気化学などの物理学をベースとした加工、計測、転写プロセスを開発し、波動光学、幾何光学、フーリエ光学を用いたX線顕微イメージングシステムを開発しています。機械設計が得意ということもり、ほぼすべての精密加工装置、精密計測装置、顕微鏡システムは自ら設計、製作をしています。また、加工現象の高速X線撮像において、画像処理解析を用いた加工現象の解析なども行っています。最近では、社会の要請から、精密ミラー製造プロセスのロボット化、自動化などにも興味を持っています。このように、物理工学、機械工学、情報科学まで幅広い学問分野を活用して研究を進めています。

学問分野

基本的な考え

私の人生に影響した本に「死ぬときに後悔すること25」という本があります。この本は、多くの患者を看取ったお医者様が書かれた本で、ほとんどの方が死ぬときにいろいろ後悔するそうです。私はこの本を読んでから、いろいろ迷ったら仮に1年しか寿命がない場合どう判断するのかと考えます。それが後悔しない判断だからです。

この本の中で印象に残ったのが、「自分のやりたいことをやらなかったこと」「夢をかなえられなかったこと」という項目です。実は、後悔するのは、夢をかなえられなかったことではなく、「夢に挑戦さえもしなかったこと」とあります。挑戦した結果、たとえ夢をかなえられなくても後悔はしないのです。多くの人が、評判や社会の空気を気にして行動し、周りに流され、本当にやりたかったことを忘れます。(おかげ様で、この本を読んでから私はあまり後悔してません。たぶん。)私の研究室に入れば、本当に大学や大学院に入って何をしたかったのか一度考えてください。それに合わせて皆さんを応援します。

人生の財産の中で時間が最も大事です。研究室配属をすれば、学部であれば最低1年、大学院であれば最低2年、私の研究室で時間を過ごすことになります。卒論、修論の研究にかなりの時間を費やします。大学卒や大学院卒の資格にはほとんど意味がなく、研究室を過ごし学んだ知識や技能、身に着けたセンスのみが将来の自分に財産になります。そして、研究室で友人たちと過ごした楽しい思い出も財産になります。この貴重な時間を過ごし、私の研究室で身に着けた財産が、将来に役に立つことを願っています。

指導について

さて、指導に関しては、各人の能力に合わせた段階的指導を行います。目指すは、最先端の研究をトップスピードで進めることができる優れた生産技術に関する研究者です。(それしかできませんので)その道はとても長く如何に早く成長するか重要ですが、いきなり途中を飛ばして、自立したり、自分で考え研究を進めることは不可能です。

本グループではこれまでの経験も踏まえて、下記の4プロセスで研究指導します。成長すれば次のフェーズに行きますので同じ学年でも大きな差がでることになります。


フェーズ1. 研究者基盤形成期:
研究をするための加工法、装置、原理などの基礎知識、使用するためのスキルを身につける。背景に当たる勉強も必要。

フェーズ2. 研究者育成期:
身に付けた知識、スキルで研究を行う。深く探求する。テーマ、進め方は指導教員の下で決める。(早ければM1から)

フェーズ3. 研究者自立期:
研究テーマは自ら提案する。セカンドメジャー獲得、異分野への挑戦を開始。(早ければM2から)

フェーズ4. 研究者発展期:
予算を獲得する。教育活動にも参画。グループ形成。(早ければD1から)


指導

実験環境

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834号室メイン実験室
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地下実験室
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大型放射光施設SPring-8:年に何回か測定に行きます
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SPring-8にて 実験準備中
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SPring-8にて 実験中