三村研究室 — 東京大学 先端科学技術研究センター 超精密製造科学分野 /工学系研究科 精密工学専攻 超精密加工

背景

研究紹介Research

研究テーマ

研究テーマは、超精密加工法の開発、高精度ミラー製造プロセスの開発、X線顕微鏡・望遠鏡の開発、X線による加工現象の解析の4分野に分かれています。


1. 超精密加工法の開発

原理的に原子を一層ずつ除去するメカニズムを有する物理化学現象を利用し、原子単位の超精密加工、平坦化加工法の開発を行っています。最近は、アクリル粒子やアクリル板を用いた加工法の開発を行っています。アクリル板と水のみによる平坦化加工法は、低環境負荷、低コストの研磨手法として注目されています。

図1

2. 高精度ミラー製造プロセスの開発

自由曲面や円筒などの複雑形状を持つ高精度ミラーの製造プロセスの開発を行っています。当研究室では、超精密加工法の開発に加え、光を用いた超精密形状計測、電気化学反応を利用した超精密形状転写法の開発を行っています。開発した技術を用い自由曲面においてナノ精度を実現しています。

図2

3. X線顕微鏡、X線望遠鏡の開発

大型放射光施設SPring-8およびX線自由電子レーザーにおいて、軟X線顕微イメージングシステムの開発を行っています。これらの顕微鏡には開発した高精度ミラーが用いられています。生体細胞の化学状態の50nm分解能イメージングや、X線非線形光学現象の観察などが可能になりました。

図3

4. X線による加工現象の解析

切削、研削などの機械加工、放電加工、レーザー加工などの熱的加工、など、あらゆる加工は何等か物理現象を用いて表面から物質を除去することになります。加工の学理解明とは、この物質除去のメカニズムを理解することになります。三村研究室では、強力な放射光X線を用い、様々な加工法の物質除去過程の観察と解析を行っています。特に、SPring-8で高速撮像により様々な加工現象の観察を行っています。各加工技術の専門の先生や加工機メーカ、工具メーカと共同で複雑な各加工現象の物質除去メカニズムの解明を目指しています。

図4